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PERSON

高橋 拓

TAKAHASHI HIRAKU

制作部 塗装部門 2020年(令和2年)入社

大手ギターメーカーで5年間ギター制作に従事。2012年に独立してギター工房を営んでいたが、新型コロナウイルス感染症流行の影響で閉店。ギターづくりで習得した塗装や木工の技術を活かそうと千幸社に入社。

新しい環境で挑戦を続ける

クライアントが求める色味や質感を忠実に再現

クライアントがイメージする色味や質感に完成させるのが、什器制作の最終工程である塗装です。温度や湿度によって仕上がりは微妙に変化しますし、塗装面にホコリが付着することも防がなければならないので、神経を研ぎ澄まして取り組んでいます。
塗装では塗料を混ぜ合わせて色をつくる調色にも繊細さが求められます。海外のクライアントから配合の指定があっても、日本と塗料自体が違うことも多く、そのまま塗ることはできません。見本を頼りに、試し塗りを繰り返して色味を近づけていきます。
当社に入社する前までギターの制作で塗装を経験してきましたが、什器はギターよりサイズが大きいため、塗りムラができないように何度も確認しながら作業しています。入社1年目なので、千幸社のクオリティーを安定して適えることができるように、さらに精進していきたいと思っています。

※什器…店舗で商品の販売や陳列に用いる器具

新設の塗装ブースでさらなる品質の向上をめざす

塗装には高い技術や精度が求められますが、ありがたいことに2020年秋に工場内に専用の塗装ブースが新設されました。自動車の板金工場などでも使われている設備のように、空調システムが付いていて温度や吸気もコントロールできます。小さなホコリなどの付着を防げるようになったほか、季節や天候に影響されることもなくなり、より細部まで仕上がりを追求できるようになりました。
今後は、調色のデータ管理に注力していきたいと思っています。誰が担当しても同じ色味を出すことができますし、新しい案件で色合わせの時間を短縮することも可能になります。こうした新たな試みができるのも、安定した環境で作業ができる塗装ブースができたからです。制作者の勘や経験で補っていた部分をデータ化することで、品質をさらに高めていきたいと考えています。

自社製品の開発に参加千幸社の技術を多くの人に見てもらいたい

什器制作の業務と並行して取り組んでいるのが、当社のオリジナル製品を開発するプロジェクトです。入社間もない私ですが、メンバーに抜擢してもらい企画会議から参加しました。「千幸社が持っている技術を結集して、世の中の価値観を変える製品を提案する」というコンセプトのもと、塗装では自分が得意とする鏡面磨きにこだわり、気品高く、存在感のある製品をめざしました。
その試作品をグッドデザイン賞にエントリーしたところ見事に受賞。プロジェクトメンバーとともに、自分たちのものづくりに自信を深めることができました。今後、一般のお客様向けに販売が始まると、多くの人に千幸社の名前が知られることになるので意欲がさらに高まります。

生活にメリハリが生まれ家族と過ごす時間も増えた

自分でギター工房を営んでいたときは、作業や来客で定休日に休めないことも当たり前でした。仕事柄、音楽関係者とのお付き合いがあったので、ライブハウスや飲み会に行くことが多く夜も多忙でしたが、転職後は毎日の生活リズムが格段に良くなりました。休日もしっかり取れるので、娘と水族館に行くなど、家族と過ごす時間も増えました。やりたい仕事を行いながら、安定した生活を送ることができる環境はありがたいと感じています。